事業の資金繰りが上手くいかず「自己破産」
<50代男性/自営業>
サラリーマンを辞めて立ち上げた会社の経営が立ち行かなくなり、2年前に自己破産しました。
退職金を元手に、これまでの営業経験を活かして始めた小さな事務所でした。
勤め先だった会社のコネクションを活かしたり、自信のあった営業力でいくつか新規開拓もでき、最初の数年はまずまず順調でした。
契約社員として男性1人、事務のパートの女性を1人雇って、忙しくも充実した毎日を送っていました。
リーマンショックの影響を受けた結果
ところが、2008年秋に起きたリーマンショックで状況はガラッと変わってしまいました。
取引先が相次いで倒産し、新規開拓もできず、ほんの数ヶ月で仕事が激減したのです。
当然業績は悪化する一方で、資金繰りもうまくいかなくなりました。
給与の支払いもままならなくなってきたため、半年後には、雇っていた2人には辞めてもらうことにしました。
それでも経費はかさむばかりで、売上げが全く追いつきません。
とうとう蓄えも底をつき、やむを得ず消費者金融から300万円借金しました。
消費者金融から借りるのは抵抗がありましたが、「この不況もいつかは終わる」と信じて、一時的な補填だと割り切っての借入れでした。
でも、それは甘い見込みだったのです。不況は長引き、最初の借入れもすぐに使い果たしてしまいました。
生活費は切り詰めて、妻の収入でギリギリやれたものの、借金の利息が思った以上に負担になり、その支払いのために他の業者からまた借りて・・・という悪循環に。
最終的に、借金は業者5社分で合計1200万円になっていました。
もう毎日借金の事で頭が一杯で、焦りと不安で途方に暮れていた時、見かねた妻が自己破産を勧めてくれました。
自己破産するとマイホームや車を手放す事になるので、家族のためにもそれだけは避けようと思っていたのですが・・・。
妻と何度も話し合い、弁護士さんに相談に行きました。
私の場合は免責にあたり、自己破産の手続きも思ったより早く進みました。
こんなにスッキリするなら、「借金が膨れる前にもっと早く相談すればよかった」と思いました。
今は生活の立て直しを目指して仕事探しを続けていますが、借金から解放されて晴れやかな気持ちです。
あの時、背中を押してくれた妻には感謝してもしきれません。