父が作った借金
僕の父親は僕が25歳の時に、病気で亡くなりました。
普通の家庭で育った人なら、親が死んだら悲しいと感じると思うけど、自分の場合は、悲しいという感情も起こらなかったし涙も出ませんでした。
その理由は、父親には多額の借金があったからです。
親の借金は、親が死亡した場合には何の手続きもしないと相続をすることになります。
つまり、父親が作った多額の借金は母親と自分の負債となるという事です。
さすがに返済は無理だったので、相続放棄の手続きを取り、借金の呪縛からは解き放たれることができました。
父親が借金を作った理由は競艇や競馬などのギャンブルです。
ギャンブルをするためのお金を捻出するために、様々な貸金業者から借り入れをしていました。
父親は自営業をしていましたが、事業では思ったほど利益がでず、家にはほとんどお金を入れていませんでした。
相続放棄を選択した
そのため、家計を助けるために母はパートですがほぼ毎日外に仕事に出掛けていました。
僕も学生の頃は新聞配達を毎朝やってから学校に行っていました。
もちろんそのバイト代は家に入れていました。
大学に行きたいという気持ちはありましたが、借金返済のことを考えると我が家にはそんな余裕はないことはわかりきっていました。
ですので、大学に行きたいということは親には打ち明けずに、その希望は諦めることにしました。
僕は高校を卒業後、地元の工場で働き口を見つけることができました。
貰った給料の半分は家族の生活費と、父親の借金返済のために使っていました。
こういった理由があるので、相続放棄により借金返済をしなくて済むことを、とても嬉しく感じました。
父親が家庭を大切にする人だったら、どんなに良かったかと今でも思います。